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通常、塩素の除去は、図に示すように塩素を含んだ廃ガスをスクラバーを用いて、苛性ソーダで洗浄し、次亜塩素酸ソーダを含む廃水とします。 |
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次亜塩素酸ソーダを含む廃水の処理には、還元剤により還元する化学処理法が広く用いられています。しかし還元剤の消費量、還元剤の供給システムや補充といった、次亜塩素酸ソーダ濃度や流量の変動に対応する制御システム等の設備や運転コストの面から、さらに還元剤およびその反応生成物を含む廃液の処理の問題もあり、環境面からも必ずしも好ましい方法とは言えません。
ハイデキャット・プロセスは、次亜塩素酸ソーダを含む廃水と酸化ニッケル触媒を接触させ、塩水と酸素に分解する、シンプルで環境にやさしい方法です。しかも、廃水を触媒層に通過させるだけですので、基本的にメンテナンス・フリーのプロセスです。 |
また、ハイデキャット・プロセスは既設の塩素スクラバーの後段にも、簡単に設置できます。あるいは、化学処理の前段に設置して、大部分の次亜塩素酸ソーダを分解した後、化学処理をすることによって、還元剤の消費量を大幅に低減させる使い方も可能です。
HYDECAT 88-2触媒を使用して、次亜塩素酸ソーダを含む廃水処理には、大別して以下の3つの方法があります。 |
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HYDECAT TD−完全分解(塩素スクラバー出口での次亜塩素酸ソーダの完全分解) |
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HYDECAT PD−部分分解(化学処理の前段で、大部分の次亜塩素酸ソーダを除去し、化学処理の負荷を低減し、還元剤コストを削減する) |
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HYDECAT ID−統合分解(スクラバーの苛性ソーダ・リサイクル中で次亜塩素酸ソーダを分解しながら、塩素吸収を行う。) |
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応用および運転上の制約は、以下の通りです。
ハイデキャット・プロセスは、酸化ニッケル触媒上の接触反応で進行します。従って、廃水中に、触媒を物理的にブロックしてしまうような物質、たとえば油分、粘着性物質、SS等があると、短期間で活性を失います。また、ニッケルとキレートをつくるような物質が存在すると、失活します。また、炭酸カルシウムの析出による失活を防ぐために、廃水中のカルシウム・イオン濃度は、15wtppm以下である必要があります(廃水中の炭酸塩の濃度次第では、炭酸カルシウムの溶解度は更に低下し、許容カルシウム・イオン濃度が1wtpmm以下となる場合もあります。このような時は、スクラバーへの洗浄水にイオン交換水を使う必要があります)。 |
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次亜塩素酸ソーダ溶液は、酸性サイドになると塩素を発生するため、廃液は苛性ソーダでpH9以上に、保つ必要があります。
反応槽は、チタン製あるいはFRP製が使用できます。ジョンソン・マッセイ本社のある英国でも製作できますが、輸送費や納期等を考慮すると、日本国内で製作した方が有利と考えられます。
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