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高温シフト(HTS)では、以下に示すように水性ガスシフト反応の平衡を右に移動させることにより水素の収率を上げています。
CO + H2O ⇔ CO2 + H2
ほとんどのHTS反応槽は入口温度350℃で運転し、COを10〜15モル%(ドライベース)から1〜2モル%(ドライベース)まで下げます。水素の収率を向上させるためには、シフト反応の化学平衡から、できるだけ低温で運転することが好ましく、また、長い触媒寿命を保持するためには、高活性と、破砕や被毒に強い特性を持つ必要があります。
HTS触媒、KATALCO 71シリーズはこれらの要求に応えるべく開発されました。また、高活性を得るため、鉄−クロムに銅を添加しています。さらに最新の開発では、構造プロモーターを導入しました。この独自の構造により、従来の触媒と比較して活性および運転中の強度が大きく改善されています。
このように活性を高めたことで、より低温での運転が可能となりました。たとえば、入口温度290℃まで下げることもでき、この結果さらにCOスリップが低減され、シンタリングによる活性低下も緩和させることができます。また、活性を高めたことにより、新規プラント設計の際、必要触媒量を減少でき、コストを削減することができます。また、既存のプラントでも、充てん触媒量を、性能を犠牲にすることなく、減らすことができます(ショートローディング)。また、運転中の強度の向上により、破砕に強く、圧損の上昇も抑えられます。従って、万一ボイラーリークが発生しても、コンデンセートや固形物による触媒ペレットの破砕に至ることはありません。またジョンソン・マッセイでは、ボイラーリークの発生しやすいプラントには、表面積が大きく高強度を持つアルミナのガードベッドを提供しています。これにより、コンデンセートや固形物がHTS触媒に到達するのを防止し、HTS触媒をコンデンセートの浸入による破砕から保護します。
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